「100日後に死ぬワニ」というタイトルを、一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。連載当時はSNSで毎日のようにタイムラインに流れてきて、いつのまにか登場キャラクターに感情移入していた人もいましたよね。一方で、最終回の直後には激しい議論や批判が起こっていました。この記事では、そんなモヤモヤを整理しながら、「あの時いったい何が起きていたのか」を振り返って紹介していきます。
『100日後に死ぬワニ』とは
「100日後に死ぬワニ」は、イラストレーター・きくちゆうきさんがツイッター上で連載していた4コマ漫画作品です。何気ない日常を送るワニが、「100日後に死ぬ」とあらかじめ告げられた状態で、1日1話ずつカウントダウンされていく構成が特徴的だったんですよね。シンプルな絵柄と、友だちとのゆるい会話や小さな幸せが丁寧に描かれ、多くの読者が自分の身近な日常と重ね合わせて共感したと言われています。
100日後に死ぬワニが炎上したのはなぜ?
可愛いイラストと、時折心に刺さるフレーズが人気となり炎上とは程遠いように感じる人も多いのではないでしょうか。ではなぜ炎上が起きてしまったのか、詳しく見ていきましょう。
最終回直後の異常な告知
炎上の直接的なきっかけになったのは、最終回が投稿された直後に発表された、怒涛のメディア展開だったとされています。連載完結と同時に、書籍化、映画化、グッズ販売、企業コラボなどの情報が一気に解禁され、「感動の余韻に浸る間もなく宣伝が押し寄せてきた」と感じた人が多かったんですよね。それまでワニの何気ない日常や死へのカウントダウンに胸を締めつけられていた読者からすると、いきなりの商業展開ラッシュに戸惑ってしまったのではないでしょうか。
「お金の匂い」が強すぎたという声
読者側は、身近な死や日常を静かに見守ってきたつもりだったのに、実は裏で大規模なビジネスが進んでいたように感じてしまい、「感動を利用された」と受け止めた人もいたと言われていますよね。作品そのものに対する共感が大きかったからこそ、「道徳観」と「市場の論理」がぶつかって、炎上という形で表面化したのではないでしょうか。
ステマ疑惑があったから
さらに、プロジェクトに広告代理店の電通が関わっていたことが報じられ、最初から仕掛けだったのではといった憶測も飛び交いました。もちろん、人気コンテンツに企業や広告が絡むのは珍しいことではありませんが、後出し感が強いと感じた読者も多かったようですよね。実際には無根拠な噂も混ざっていたとされていますが、とにかく「信頼していたものに裏切られたように感じた」気持ちが、炎上をより大きくしてしまったのではないでしょうか。
映画は公開中止になった?
100日後に死ぬワニがこれだけ炎上すると、公開予定だった映画はどうなったんだろうと気になりますよね。しかし、作品自体が完全にお蔵入りしたわけではありません。原作をもとにしたアニメ映画は、『100日間生きたワニ』というタイトルで、2021年7月9日に劇場公開されていますよね。当初は2021年5月28日公開予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期され、そのタイミングのズレや短い上映期間などから「中止されたのでは」と誤解が広がったと説明されています。
なぜ「公開中止」の噂が広がったのか
ネット上で100日後に死ぬワニの映画が中止だと広がった背景には、いくつかの要因が重なっていたとされます。まず、炎上でネガティブな話題が拡散していたこと、そして公開延期のニュースだけが印象に残り、その後の公開情報が十分に届かなかったことが挙げられているんですよね。加えて、興行期間が短めで終わった劇場も多く、「見に行こうと思ったころには近くの映画館で終わっていた」という体験から、「結局ダメになったのかな」と感じた人もいたのではないでしょうか。
映画『100日間生きたワニ』のあらすじ
映画『100日間生きたワニ』は、原作4コマのエピソードに加え、ワニがいなくなった“その後”の世界を描いたアニメ作品です。タイトルが「死ぬ」ではなく「生きた」になっているように、ワニが過ごした日々の意味や、残された仲間たちがどう日常を取り戻していくのかに焦点を当てた構成になっているんですよね。原作で胸がいっぱいになった人ほど、「あの後みんなはどうなったのか」が気になっていたと思うので、その答えを映像で見られる作品だったと言えるでしょう。
豪華キャストと制作スタッフ
声優陣には、ワニ役の神木隆之介さん、ネズミ役の中村倫也さん、モグラ役の木村昴さん、センパイ役の新木優子さんなど、豪華なキャストが集結しています。監督・脚本は『カメラを止めるな!』で知られる上田慎一郎さんと、アニメーション監督としても活躍するふくだみゆきさんが務め、原作のきくちゆうきさんもクレジットされているんですよね。制作体制だけ見ても、本気度の高い映画企画だったことがわかるので、炎上のイメージだけで敬遠してしまうのは少し惜しい気もするのではないでしょうか。
作者・きくちゆうきとはどんな人物?
きくちゆうきさんは、もともとフリーの漫画家・イラストレーターとして活動していたクリエイターで、「ベビーバス」など他作品も手がけてきました。「100日後に死ぬワニ」は、その中でも特に大きなブレイク作となり、連載中からテレビや企業タイアップに取り上げられるほどの国民的コンテンツになったんですよね。一方で、炎上後は批判の矢面に立たされ、SNS更新を控える時期もあったとされており、非常に過酷な経験をしたクリエイターと言えるのではないでしょうか。
まとめ
振り返ってみると、「100日後に死ぬワニ」の炎上は、作品そのものの出来よりも、感動作をビジネス展開する中で起きてしまったようですね。たしかに無料で見守ってきた身近な物語が、裏側で大規模なプロモーションされていたことで大きな失望感につながってしまったのでしょう。しかし映画がきちんと公開され、いまも配信などで見られる形で残っていることを考えると、炎上したから作品がダメだったと切り捨ててしまうのも、少しもったいないように感じます。
作品を初めて知った人も、当時毎日追いかけていた人も、今あらためて作品に触れるとまた違った感情が出てくるのではないでしょうか。










